Ultra@Conduct III

標茶・SL冬の湿原号 列車ジャック事件

当エントリーは、まったく意味がわかんないので 時間を持て余して仕方がない あまりにもヒマでヒマで仕方がない という方のみお読み下さい。

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おそるべしSL冬の湿原号

~ 200X年2月19日、北海道の大地に立つオレ自身に捧ぐ ~

200X年2月19日午後1時50分、北海道・標茶駅。
良好な天気の中、真っ白な雪原に向かって、今まさにSL冬の湿原号が発車しようとしている。

「 ママァ、キタキツネとか見れるかなぁ 」
「 そうね、みっちゃん。こ~んなでっかいクマとかも出てきちゃうかもよ 」
「 えぇーーっ やだ、こわぁーい 」 アハハハハハハッ
期待に胸膨らませる観光客たち。

そんな平和な時間を引き裂くように突然事件は起こった。
「 キャアアアアァァァァァ! 」
出発間際の列車後方で女性の叫び声がした。
どうやら ながい●ういち風の男が刃物を持って乗り込んできたらしい。

「 おまえら!おとなしくしやがれ。さもないとコイツの命は無いぞ! 」
その男はどういうわけか左手で野生の丹頂鶴の首根っこを掴んでいる。
ピーンと張りつめる列車内の空気。
静寂の中、丹頂鶴の悲痛な鳴き声が響き渡る。
「 クォッ!クォクォッ! 」
もがき苦しむ姿は求愛ダンスではなく、まるで死のダンスだ。
そんな事情も知らず、SL冬の湿原号は標茶の駅をゆっくりと滑り出た。
「 おい、そこのおまえ。運転席に案内しろっ 」

午後1時57分
列車先頭で逆向きに連結された C11-171号機の運転席に案内されると、男は機関士に向かって怒鳴った。
「 おいっ! 」
だが、蒸気機関車の激しい音が男の声を遮る。
男はさらに大声で怒鳴る。
「 おいっ!! 今からオレの言うことに従え! 」
「 なんだ、お前は? ココは立ち入り禁止だぞ 」
「 うるさいっ!! 黙ってオレの言うことを聞け。さもないとコイツを… こうだっ! 」
男は左手に持っている丹頂鶴を燃え盛る石炭に近づけた。
「 クォーッ!クォクォクォッ! 」

「 だから、なんなんだよ、おまえ 」
機関士は平然として動じない。
そんな機関士の様子をせせら笑うかのように男は続けた。
「 本当にいいのか?よく見てみろよ 」
機関士は男の持つ丹頂鶴をマジマジと見た。そしてあることに気がついた。
「 ま、まさか。かあさんっ! かあさんなのかい!? 」
「 クォー( ひろゆき! )」
「 かあさんっ! 」

機関士は目の前で起こっている理解し難い事態に混乱した。
そして彼自身、冷静さを取り戻すために自らを諭すように言葉を続けた。
「 ま、まぁ落ち着け。よ、要求はなんだ 」
「 ふっ やっとわかったようだな。ではまず進路を北北東に向けてもらおうか 」
「 は? 」
「 進路を北北東に向けるんだ!同じコトを2度言わせるな! 」
「 な、何を… そんな事は無理… 」
「 うるせぇバカっ 言われたとおりにしろ! 」
男は丹頂鶴の首をキツク絞めあげた。
「 クォーーッ! 」
丹頂鶴の苦しむ姿を見て機関士は顔をしかめた。
「 ま、待て! お前、自分の言ってることがわかってるのか? 」
「 黙れっ! 早くしろ! 」

このままでは埒が明かないと判断した機関士は、渋々ではあるが指差し確認をしながら大声で叫んだ。
「 信号よーしっ! 北北東よーしっ! 」
「 そうだ。それでいいんだ 」 丹頂鶴を持つ男は満足そうだった。

午後2時13分
後方にいる車掌から連絡が入った。
「 エゾジカの群れが線路を横断しようとしています。徐行願います 」
列車は徐々に速度を落とし、やがて停止した。
事情を知らない観光ガイドが車内放送を始める。
「 皆さん、進行方向左手をご覧下さい。野生のエゾジカが… 」
それを聞いた男は、機関士に向って言った。
「 お前、エゾジカを今すぐココに連れて来い 」
「 えっ!? 」
「 グズグズするな!早くしろ!! 」
「 クォーーッ! 」
男はまたもや丹頂鶴の首をキツク絞めあげ、今にも燃え盛る火の中にくべそうである。
丹頂鶴の目からこぼれる一筋の涙。
「 わ、わかった! ちょっと待ってくれ 」
見るに耐えない丹頂鶴の姿に、機関士はまたも渋々従うことにした。
「 いいか、カッコイイ奴だぞ! 」
なんとも理不尽な要求だとは思いつつも、しばらくすると機関士は逞しい角を持つ1頭の若い雄鹿を連れて戻ってきた。
男はエゾジカを受取ると何も言わずに角を掴んで ヒョイっ とまたがってしまった。

午後2時29分
列車は再び進み始める。
念願が叶って上機嫌なのか、男はしばらくおとなしくしていた。
だが、ふと何か思いついたように機関士に向かって言った。
「 おい、この辺にヒグマはいないのか? 」
「 ク、クマはちょっと… 」
「 そうか 」
列車は既に塘路を過ぎ、釧路湿原に入ろうとしていた。

午後2時38分
それまでの山あい景色から視界が開けると、男はおもむろに携帯電話を取りだした。
そして何やら番号を押している。
「 おい、お前。発信ボタンを押したら、オレが言ったとおりに会話しろ 」
「 は、はぁ 」
「 早くしろ! 」
言葉の勢いとは裏腹に、男は何か辛い事を思い出したかのように苦悶の表情を浮かべている。
機関士は言われるままに携帯電話の発信ボタンを押した。
ピポパピピピポ…
プルルルルル プルルルルル ガチャ
( はい、こちら新N本橋駅MどりのM口です )
「 相手が出たようですが……… 」
「 よし。まず最初に、自分は SL冬の湿原号の機関士だと 高らかに名乗りをあげろ 」
「 はぁ 」
「 逆らったらどうなるか、わかっているな 」
「 は、はい 」
「 さあ、やれ! 」
機関士は不安な表情を浮かべながら電話口に向かって話し始めた。
「 私は SL冬の湿原号の機関士ですが… 」
「 バカヤロー!声が小せぇ!高らかに名乗りをあげるんだ! 」
「 クォックォーーッ! 」
「 クソっ……… わ、私は SL冬の湿原号の機関士だっ! 」
( もしもし?なんでしょうか? )

「 我々は今、標識の標にお茶の茶と書いてシベチャにいる と言え 」
「 我々は今、標識の標にお茶の茶と書いてシベチャにいる! 」
( はい? )

「 よし、次だ。
  我々は急遽、知人の知に床屋の床と書いてシレトコ へ向かうことにした! だ 」
「 我々は急遽、知人の知に床屋の床と書いてシレトコ へ向かうことにした! 」
( はぁ… スミマセンがどういったご用件ですか? )

「 相手はどうしている? 」
「 なんだか意味がわからないようですが… 」
機関士の目から見た男は、なぜか意識が朦朧としフラフラしている様子だ。
「 さらにこう付け加えろ 」
そう言うと、男はコレがキメ台詞だと言わんばかりの自信満々の表情で言ってのけた。

「 我々はぁー、流れる氷と書いてリューーヒョーーに乗ってやって来たーっ!! だ 」
「 わ…わかりました ( こうなりゃヤケだ! )
  我々はぁー、流れる氷と書いてリューーヒョーーに乗ってやって来たーっ!! 」
( はっ!ま、まさか、お前は! )

動揺する相手の様子を聞き、男は言い表すことの出来ない達成感で目に涙が浮かんでいた。
そして次の瞬間、男は振り返り様に前方を指し、機関士に向けて大声で叫んだ。

「 よし、今だ! ワープッ!! 」

クォッッポーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!

丹頂鶴の泣き声がSLの汽笛とともに広大な釧路湿原に響き渡った。

果たして、その時 歴史は動いたのか!?
緊迫の2月19日当日・午後2時42分を待て!


※ これはフィクションです。登場する ( 以下略

Posted by ゆい at 2007年01月23日 17:10 | コメント (2) | トラックバック (0) | Clip!!

この記事に対するコメント

個人的には緩急車に乗ってみたいですね。連結してるみたいですけど何かに使ってんですかね?
(空気読まないコメントですいません^^;)

Posted by: じゃわじゃわ at 2007年01月24日 01:28

いえいえ、こんなアホなエントリーにコメント下さってありがとうございます(笑

緩急車には地元ガイドが乗車して、SLネイチャー講座を開催しているみたいですよ!
http://www.marimo.or.jp/JR_Kushiro/sl18/sl07top.html

Posted by: ゆい at 2007年01月24日 02:18


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